2020.1.1
浪人生のやる気推移を考えてみる①
新年あけましておめでとうございます。
コラム担当の初田です。
新年第1回は「浪人生のやる気」に焦点を当ててみたいとおもいます。
浪人生のやる気が上がったり下がったりする時期はありますか?
2019年単年度の結果ですが、浪人生のやる気の上下には季節性があるようです。
この表は弊塾の塾生のうち、4月から10か月間レギュラーコースに在籍した吉祥寺・町田・所沢校の既卒生の読込確認テスト(50点満点)の得点推移となります。
(※英語学習方法としての「読み込み」とはなにか、またレギュラーテストとしての「読込確認テスト」とは何かについてはこちらとこちらをご確認ください)
読込確認テスト3回分(≒一週間分)を1期として全100回分の平均点を並べてあります。
このように平均点をグラフ化すると、ザックリと47点代で推移する水平期、47点から45点に徐々に下がる下降期、45点を底に48点まで上がる上昇期の三つの期間に分類することができます。(読み込み確認テストの合格点は45点となります)
なぜこのようなことが起こるのか?
それぞれの期間についてグラフを分析していきます。
まず水平期から見ていきます。
水平期は授業開始の4月から、第1回総復習テスト、社会の授業が開始される5月、浪人生生活の落ち着く6月までの間の時期になります。47点から48点(得点率94%~96%)で得点が推移していることが特徴です。新しい環境の中で勉強だけに向き合うことになるため心理的負荷が高くなる一方、現役生時代の大学受験失敗が新しく、心機一転MARCH合格を目指そうとする思いも強い時期ですので、不慣れなことを何とかこなしつつ試行錯誤をしようと前向きでいられる期間だと考えられます。そのため比較的やる気を高く持つことができる時期です。
次に下降期を見ていきます。
47点から48点(得点率94%~96%)で推移した水平期と比べると得点率が45点(得点率90%)にまで下降しています。
6月から10月上旬までは毎日のルーティンを繰り返し生活から新鮮さが無くなる他、受験失敗の記憶も薄れ4月から続いた緊張が緩み始める時期になります。また18期頃(7月下旬~8月上旬)までは梅雨明けから夏の時期となり、暑さに体力を奪われたり、現役で大学に進学した友人が夏休みに入り遊びの誘いなどをしてくるなど誘惑が増え始める時期でもあります。さらに19期から24期(8月中旬~10月半ば)にかけては夏祭りや花火大会といった楽しそうなイベントが嫌でも目に入り、現役で合格した友人からの誘いがピークに達するうえ、浪人生生活に慣れある程度余裕が生まれている時期でもあるため、「なんでこんなにつまらないのに頑張ってるんだろう」とか「周りの浪人生も遊んでるし少しくらい怠けても…」といった具合の悩みや怠けが出る時期と考えられます。
最後に上昇期を見ていきます。
45点(得点率90%)を底に48点(得点率96%)まで平均点が上昇し始める時期です。
この時期は、第3回マーク模試やセンタープレテスト、進路面談などの大学受験を意識せざるを得ないイベントが多くなるほか、センター試験演習、赤本対策などで自分の今までの勉強が得点として表れ、大学受験に対するやる気が6月以降再燃する時期になります。特にMARCH志望者は「レギュラーテストで満点を取り続けることがMARCH合格の条件」という事を強烈に実感するため、8月~10月の自分の大学受験対する態度を振り返りやる気を爆発させます。
4月から12月までをグラフ化してみると、浪人生のやる気は4月~6月と10月半ば~12月の5.5か月間高く保ちやすく、7月~10月半ばの4.5か月間保ちにくいという事が分かります。つまり、いわゆる「夏バテ」や「中だるみ」と呼ばれる時期で、この時期に浪人生としてやる気をどこまで保ち学習に充てられるかがMARCH合格のかなめとなります。