2022.1.20
保護者さま主導の大学受験塾・予備校選びの注意点
中学受験や高校受験の塾選びの延長で保護者さまが塾・予備校選びの主導権を持たれるケースがありますが、大学受験の塾・予備校選びについては注意が必要です。
保護者さま主導で塾・予備校選びを進められている方、その結果、失敗してしまった方に読んでいただきたいコラムになります。
▼なぜか
受験学年となる高3は18歳になる年齢、浪人生はそれ以上の年齢ということで社会的にも成人という扱いになります。実際に通塾し、受験勉強を進めるのはお子さまであり、受験するのもお子さまです。
中学受験や高校受験の塾選びは年齢も低く、塾の情報を取得する能力もお子さまにはあまりないため、ある程度は保護者さまのサポートが必要にはなりますが、大学受験の塾・予備校選びをそのような形で行うことは非常にリスクがあります。
保護者さま主導で大学受験の塾・予備校選びを失敗した2つのケースをみていきましょう。
①中学受験の塾選びの延長で大学受験の塾・予備校選びに失敗したケース
中学受験の塾選びで大手中学受験塾に入塾し、志望校に合格。
入学後は高学力の生徒たちの中で埋もれてしまい、学校の勉強について行けずに、保護者さま主導で個別指導に通わせて学校の勉強のフォローをしてもらうも成績は上がらず退塾。
高校に上がり、受験学年に近づいてきたため、高1から大手予備校に通塾するもついていけずに、そこからあらゆる塾、予備校に転塾するも成績は上がらず、志望校選びや受験校の選定まで保護者さま主導で行い大学受験は失敗。
保護者さま主導で塾・予備校選びを小4~高校まで進めてきたため、お子さまにとっての大学受験は当事者ではなく、他人事の感覚となっており、志望校合格のための自己分析や塾・予備校選びの軸などはなくなっていた。お子さまは自己決定理論に基づき意思決定した経験がないため、どの塾・予備校に行っても自走することが出来ないため成績は上がらなかった。
結果、浪人することになった際も、集団授業はついていけなかった、個別指導はダメだった、映像授業は合わなかった、と、保護者さまの中で塾・予備校の選択肢がなくなり、浪人ということで改めて近しいコンセプトの塾・予備校を探すも、結局は各科目に専門の家庭教師をつけて、受験勉強を進めるも、自走できる力がないため、家庭教師に習っても自習時間も足りず、内容を消化できずに1浪も全落ちの結果となった。
②保護者様が大学受験塾・予備校を即決して失敗したケース
高校まで進学校に所属するも大学受験時は塾・予備校に行かずに失敗。
なまけ癖があるお子さまを間近で見てきた保護者さまは、お子さまに複数の塾・予備校を比較させることもなく、各塾、予備校の体験授業などを受けずに、全寮制の予備校に即決。
理由は全寮制ということで、強制的に自習させられたり、スマホ制限があったり、そもそも外出禁止だったり、門限があったりと強制的に勉強をさせる仕組みに保護者さまが魅力を感じたためであった。
入塾後は、私大文系志望にも関わらず、その予備校のメインターゲット層は医学部や国公立受験のためカリキュラムが合わないことや、過度な強制管理にストレスを感じてお子さまのモチベーションはどんどん下がっていき、寮から逃げることも多々あった。またお子さま自身で決めた予備校ではなかったため、受験勉強がうまく進まないことを保護者さまのせいにして、関係性も悪くなり、最終的には学力的に無謀な出願戦略を組み全落ちの結果となった。
▼では、どうしたら良いか
2つのケースはともに全落ちした後にEDIT STUDYにご入塾いただき、志望校合格を実現した例になります。このようなケースに陥らないように以下ポイントを確認して下さい。
▼チェック!
お子さま自身が学力や性格を含めた自己分析を出来ているか
⇒出来ていない場合は、保護者さまが対話を通して分析してください
塾・予備校を最終的に決めるのはお子さまのルールとなっているか
⇒保護者さまが決定するのは避けて下さい
自己分析結果を踏まえ、複数の塾・予備校を候補として挙げているか
⇒お子さま自身が足を運び、自らの力で比較検討してもらって下さい
候補となる塾・予備校の説明会や体験授業など期間をかけて、じっくり比較検討しているか
⇒1か所だけ見て(体験など複数回受けずに)即決するのは止めて下さい
塾・予備校を決める際はお子さま自身の言葉で「●●という塾・予備校に通いたいです、なぜなら~」と自己決定理論に基づき、最終決定してもらっているか
⇒保護者さまはお子さまの説明を聞き、その塾・予備校に決めた理由を深堀りして思考を深めるサポートをして下さい
EDIT STUDYの無料個別相談の際に上記のようなアドバイスを保護者さまにしますと「うちの子は考える力がない」「全寮制くらい強制的に管理しないと、どうせ勉強しない」等のご意見をいただくことがございまして、幼い頃から近くでサポートしてきた保護者さまではないと分からないことはあるかと思います。
ただ、このような発言からも「見守る姿勢」がなく、お子さま自身も恐らく昔から「期待されてない、信頼されてない」と感じ、自己決定してきてないので、何かうまくいかないことがあれば「親のせい、塾や予備校のせい」と矢印を自身に向けられてない可能性が高いです。
もし似たような状況でしたら、この大学受験・塾予備校選びから、お子さま自身が受験生という当事者として、自己決定理論に基づき、行動できるよう保護者さまにはサポートいただきたいです。
(複数の塾・予備校に資料請求をしていただき、お子さまに提示する程度が望ましいです)
きっと、今のままでは社会に出た後に、更に苦労される可能性も多分にあるかと思いますし、お子さまの中長期的な成長を視野に参考にしていただけますと幸いです。
EDIT STUDYの無料個別相談ではこのようなケースの相談も受けており、お子さま自身が保護者さまに秘密にして、このような相談をされるケースもあります。保護者さまのみ、生徒さまと同席、生徒さまのみ、と柔軟に対応しておりますので、ぜひご検討下さい。
EDIT STUDYは全員が正社員で、慶應義塾大学大学院医学研究科博士である松隈 信一郎氏が監修するPPC(Positive Psychology Coaching)の認定資格を所持しているため、週に1度の1on1面談では「どうしたら良いと思う?」「そのように思った気持ちはどこからきているの?」「では、どうしたら良い?」という対話を繰り返すことで自己決定理論に基づいたコーチングを実施していきます。
*カリキュラムやRテストの学習面は管理徹底する方針となります
▼代表理事:松隈 信一郎
一般社団法人School for Strengths – Based Education
医学博士、公認心理師。慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程修了。ウェルビーイングや強み等の人間のプラス面を科学するポジティブサイコロジーの研究に従事。在学中、一般社団法人School for Strengths – Based Education を設立、学校現場や企業内にて、強みを活かす人材開発の教育活動に従事。2017年にEDIT STUDYのマインド・トレーニング「合格マインド」を開発。立教大学GPL講師、慶応義塾大学医学部精神神経科学教室特任助教を経て、現在、フィリピン大学ディリマン校心理学部にて教鞭を執る。
日本ポジティブサイコロジー医学会評議員、米国GALLUP社人材開発シニアコンサルタント兼任。著書に「人生を豊にするウェルビーイングノート」(金剛出版) 等。