センター試験とは、大学入試センターという文部科学省管轄の独立行政法人が行っている試験のことで、正式名称を「大学入試センター試験」と言います。
センター試験は高等学校の段階における基礎的な学習の達成度を判定するマークシート方式の試験で、出題される問題は教科書レベルの基礎的なものになっています。よって、出題範囲は個別試験に比べると限定されていて(難問・奇問の類は排除)、全く同じ問題は出題されないにせよ似たりよったりの問題が頻出するので、過去問を解いておくことの意義が極めて大きい試験でもあります。
つまりは「センター試験は易しい」というのが、数年前までの受験生にとっては常識だったはずですが、近頃では私立大学受験が一気に易化し、ボーダーラインを考慮するといわゆるMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)レベルならセンター試験よりも易しいと言えるかもしれない状況です。ただし、早稲田・慶應は依然として別格でここでも二極化が進行しています。
また、マークシート方式とは解答番号欄を鉛筆で塗りつぶして解答し、採点をコンピュータで行う方式ですが、この方式の怖いところは答えがあっていても塗り方を間違えたり、塗りつぶす解答の順番を間違えたりすると容赦なく不正解とみなされてしまう点です。このあたり、仁義なき大学受験戦争の一面が垣間見えます。
かつては自分が何点取ったか正確に知る術はありませんでしたが、近年成績開示制度が導入され、希望者はその年の4月に(マークミス等も含めた)正確な点数を知ることができるようになりました。
試験日程・会場について
センター試験は例年1月中旬の土・日曜日の2日間に全国一斉に同日・同日程(1月13日以降の最初の土曜日及び翌日の日曜日)で行われます。2013年度は2013年1月19日(土)・20日(日)の2日間です。
試験会場は現役生の場合、原則として在学する学校が所在する試験地区内の試験会場で、浪人生の場合は家の近くの試験会場になります。会場に指定されるのは大手予備校や大学です。
出願時期は例年10月上旬~中旬です。とりあえず出願だけでもしておきましょう。また、必ず3科目以上で出願しておいてください。
試験科目について
センター試験には実に6教科28科目も設定されています。
6教科とは「外国語」「地理歴史」「数学」「国語」「理科」「公民」で、それぞれがいくつかの科目に分かれています。科目は28科目もありますが、中には「ドイツ語」「簿記」など一般の受験生には馴染みのない科目も含まれており、多くの受験生が現実に受験する科目は以下になります。
教科 | 科目 | 時間・配点 |
---|---|---|
外国語 | 英語 | 80分・200点 |
地理歴史 | 世界史B 日本史B 地理B |
60分・100点 左の3科目から1科目選択 |
数学(1) | 数学1A | 60分・100点 |
数学(2) | 数学2B | 60分・100点 |
国語 | 国語 | 80分・200点 |
理科(1) | 物理1 生物1 |
60分・100点 左の2科目から1科目選択 |
理科(2) | 化学1 地学1 |
60分・100点 左の2科目から1科目選択 |
公民 | 現代社会 倫理 政治経済 倫理、政治・経済 |
60分・100点 左の4科目から1科目選択 |
上記以外の科目を受験すると受験可能な大学が激減します。志望大学との兼ね合いで慎重に決定しましょう。
ちなみに私が受験生時代に受験したのは「英語」「世界史B」「数学1A」「数学2B」「国語12」「地学1B」の5教科6科目型で当時はこれが主流でした。(後期用に「倫理」も受けましたが。)
しかしながら2004年度からほとんどの国立大学で社会か理科を2科目に指定する5(6)教科7科目を課すようになりました。これは学力低下を懸念してとのことですが、いわゆる「ゆとり教育」への不安(不満)に他ならず、大学受験生はとんだトバッチリを受けた格好です。と思ったら、ゆとり教育は撤回されてしまいましたね。
私大専願の方には全く関係ありません。ご心配なく。
試験結果について
試験結果は大学入試センターから直接各大学に送られて利用されます。そのため、受験生は自らの点数を自己採点で知ることしかできません。先に書きましたように最近は出願時に点数開示を希望すれば4月頃に教えてくれるようになりましたが4月に分かったところであまり意味はなく、重要なのは模試を通して自己採点と結果を完全に一致させる練習を積んでおくことです。
解答は翌日の朝刊に掲載されるほか、当日の20時過ぎには大学入試センター・大手予備校のサイトにアップされます。そして、その得点分布状況は大手予備校に集計された後、深夜枠でテレビ放送され、受験生は眠れぬ夜を過ごすことになります…と思いきや、最近はテレビ放送はなくなってしまったようです。あの妙な緊張感が好きだったのですが残念でなりません。