2018.11.11
【第二回】「合格保証」の選び方―偏差値40台から逆転合格するために
前回のコラムでは、「合格保証」制度の概要とそのメリットについてお話をさせていただきました。今回のコラムでは、「合格保証」をうたっている塾・予備校の中から、「何を基準にして」「どのように」自分の通う塾・予備校を選んでいけばよいか、その方法についてお話をさせていただきます。
確認すべきポイント
「合格保証」制度を導入している塾・予備校を検討するときに必ず確認したいのが、合格保証制度の対象者になるために必要な①条件と②志望校の定義、免除・返金になる③授業料の定義、そして④合格保証対象者の割合の4項目です。
①条件について
多くの場合、出席率に加えて定期的に行うテストの得点率・合格率が条件に入っているのですが、そのテストの出題範囲が「授業で取り扱った内容のみ」の出題か、「授業範囲を超える、いわゆる実力問題を含む」出題かでその難易度は大きく変わってきます。後者の場合は塾・予備校側で難易度調整が容易となり、極端な話、誰も合格できないテストを作る権利を認めることになりますので、注意が必要です。
また、テスト回数も重要な観点です。例えば、合格率90%以上・年間15回しか行われないテストですと、2回落とした時点で合格保証対象には入れなくなりますが、同じ合格率90%以上が条件でも年間150回行われるテストならば、15回落としても合格保証対象に残れます。このように、一般的にはテスト回数が多い方が生徒側としては修正をかけやすく、合格保証も獲得しやすいと言えます。
②志望校の定義について
志望校の定義については必ず確認しなければならない点になります。「志望校」のみの表記である場合、誰でも入れる大学や中堅程度の大学を塾・予備校側が恣意的に「志望校」と設定している可能性が出てくるからです。受験生・親御さまの多くはより良い大学に進学したい・させたいと願うものです。結果、自分の実力よりも高い大学を志望することが普通で、私立文系であれば早慶を志望する方が多いのですが、このような生徒本来の希望を「志望校」と定義した場合、早慶入試の倍率を考慮すると、合格するのは10人に1人、残り9人は不合格となります。一方で、例えば「志望校はチューターと相談して決めるものとする」のような、もはや志望校とは呼べない定義を用意していれば、「志望校」合格率は簡単に操作できるのです。このように、「志望校」という言葉の定義は危うさを含んでいるということは念頭に置かれておくとよいと思います。
③授業料の定義について
授業料についてですが、金額の定義はしっかりと押さえておきましょう。仮に「志望校に合格できなかった場合、翌年の授業料無料」という条件の合格保証制度があったとしましょう。一口に「授業料無料」と言っても、無料になるのが「通常授業のみ」なのか、「季節講習も含めた年間経費全て」なのかで話は大きく変わってきます。通常授業のみ無料となり、その他の季節講習や特別講習、補講などは対象外で結局年間数十万かかってしまうというケースがあります。
④合格保証対象者の割合について
例えば、100人中50人が合格保証対象になるA予備校、100人中10人が合格保証対象になるB予備校、100人中1人しか合格保証対象になれないC予備校があるとき、あなたはどの予備校に通いたいと考えますか?合格校や合格率次第で結論は変わるため一概には言えないとお考えになるかもしれませんが、上記「志望校」やその他にも「難関大学」の定義の問題があり、合格率の厳密な比較というのは実は簡単な作業ではありません。そこで、合格率の比較も行いつつ、もっと違う視点、具体的には合格対象者の割合でとらえてみるといいかもしれません。合格保証対象者が多いということは、それだけ塾・予備校側が努力して多くの生徒を合格に導くカリキュラムや授業を行っていると言えます。この点を確認せず、「合格保証」という文言に惹かれて塾・予備校を選ぶことはやめた方が無難です。
確認すべきポイントは以上となります。
これらの項目がHPやパンフレットなどにはっきりと記載されている、またはそのような問い合わせにデータを出してしっかりと回答できる塾・予備校であれば、良心的であると判断することができるでしょう。
合格保証比較
最後に、私たちEDIT STUDYを含む、「合格保証」制度を導入している主な塾・予備校の合格保証条件を掲載します。ぜひ、上記を踏まえ、ご参考になさってください。
EDIT STUDY
【合格保証適用条件】HP記載
① 授業出席率90%以上(浪人生)80%以上(現役生)
② レギュラーテスト合格率90%以上(浪人生)80%以上(現役生)
※実力テストを一切含まない英単語・読み込み確認テスト・社会確認テスト・漢字テスト・古文単語テスト。年間通算約600回。
③ MARCH以上の大学を2学部以上受験すること
(MARCH以上=明治・青山・立教・中央・法政・学習院・成蹊・東京女子・関西・関西学院・同志社・立命館)
※合格保証取得率約61%(詳細:日本一オープンな合格実績)
【備考】
入塾された時点では全員が合格保証制度の対象となります。前年度の成績やチェックテストのようなフィルタリングはありません。また、授業料に関しましては、EDIT STUDYではもとより追加料金が発生する講習を行っておりませんので、翌年度は完全無料でお越しいただくことができます。
城南予備校(現役合格保証)
【合格保証適用条件】HPより抜粋
1)志望大学を3つ以上受験すること。
※AO・推薦入試での受験は保証対象外とします。
2)入試必要科目を3教科以上受講し、授業料定額制度適用となること。
3)1学期・2学期授業の80%以上に出席すること。
4)講習指定講座(年間カリキュラムの一部として行われるもの)を受講すること。
5)各種テストを受験し、各種課題を提出すること。
注1)受験票のコピーとともに「志望校申請書」を期日までに提出していただきます。
注2)志望校3校は、同一大学内の違う3学部でも可です。
注3)学費の入金が滞った場合は失効となります。
注4)やむを得ない事情で休学した場合も失効となります。
注5)夏期講習と冬期講習の指定講座に関しては、後日連絡します。
【備考】
現役生、かつ規定の数以上の授業に申し込んだうえで、現役合格保証適用申請した方のみ対象となり、申請した方は制度に関する詳細説明を受けることができます。合格保証は特定の大学以上という定義ではなく志望校という定義であるため、注意が必要です。全生徒の中のどの程度の割合が保証対象となっているかは非公表です。授業料その他に関して、保証制度を利用して通う場合、季節講習は無料対象なのか、そもそも現役合格保証の予備校で浪人生が頑張れるのか、など疑問点を解消してもらうとよいでしょう。
増田塾
【合格保証適用条件】HPより抜粋
1.出席率80%以上を維持すること
2.各教科のチェックテストで80%以上を維持すること
3.課題などの提出物を提出すること
4.増田塾が指定した難関大学を二つ受験すること
【備考】
合格保証対象者の合格率は95%と公表されていますが、全塾生に対する合格保証対象者の割合は非公表です。各教科のチェックテストについては最初は基礎的な出題ですが、年度後半は実力問題を含む難易度の高いものになります。志望校以外にも、増田塾の方から受験校を二つ指定され受験する必要があります。また、公表されている合格率は「難関大学」との表記ですが、具体的な大学名は公表されていません。
いかがでしたでしょうか。
みなさまの合格保証制度選びの一助になれば幸いです。さらに詳細な塾選びにつきましては大学受験塾・予備校「ホントに正しい」選び方をぜひ一度、ご覧になってみてください。