2019.7.29
<2019年8月更新>4技能試験で受験すべきテストは?!
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2019年11月1日、文科省は大学入試での英語民間試験の来年度導入を延期することを表明しました。
以下大学・学部情報は2019年10月時点のコラムになりますので、導入延期を踏まえた新たな情報は各大学・学部のHPをご確認下さい。本コラムでも順次情報を更新していきますので、引き続き本コラムをよろしくお願いします。
以下2019年10月時点コラム——————————————
こんにちは、2021年度大学入試改革(新入試)担当の初田です。
今回は今まで紹介した内容を踏まえたうえで、2021年度大学入試改革(新入試)に向けて、一般的な受験生が受けるべき試験について考えていきます。
結論から言ってしまえば、まず間違いなく真っ先に検討するべき4技能試験は英検です。
なぜ英検か?
何故英検を検討するべきかと言えば、英検は一回の受験量が他の試験と比較して安く、開催される会場も全国に多くあり、何より学習ノウハウが他の4技能試験より圧倒的に充実していることがあげられます。
一つ目のメリットである英検の受験料は1級9,500円、準1級7,600円、2級6,500円、準2級5,900円、3級4,900円、4級3,600円、5級3,000円となっています。
一方でその他の検定料は、ケンブリッジ英検27,000円、GTEC CBT 9,720円、GTEC(個人受験)4技能 12,960円、IELTS 25,380円、TEAP 15,000円、TOEFL US$235 ~US$275(25,850円~30,250円※US$1=110円換算)となっており、圧倒的に英検が経済的な料金設定になっていることが分かります。
MARCH受験であれば受験までに取得しておくべき級は2級となりますが、それまでに2級以下から受験して順次スコアを取得していくのが一般的ですから、3級から取得を開始したとして2級まで3回受験すると合計17,300円かかる計算になります。
これは英検の次に安いGTEC CBT3回分の料金29,160円比較すると1万円安く、最も高いTOEFLと比較すると7万円近い差になります。
大学へ提出するスコアを取る機会は二回ありますが、その前に複数回練習がてら受験することを考慮に入れれば、この金額の安さは大きな考慮ポイントとなるでしょう。
次にあげられるメリットは受験会場の多さです。
受験会場の多さは、日本における英語能力検定の老舗であるだけに、都市圏に限らず多くの場所で受験できることからも明らかです。英検CBTで15都道府県のテストセンター、英検S-CBTで全国186エリア・260のテストセンターが設置される予定とのことで、受験会場がないから受験できない、といったことが起こることは基本的にないでしょう。※受験会場のキャパが受験生に対して足りなくなることは予想されています。詳しくは以前の英検の記事を参考にしてください。
次点で受験会場が多いのはGTECとなりますが、経済的な面から考えると、この時点で英検に分があると言えます。
この他の試験については、全国規模での受験には対応していないと言ってもよいでしょう。
最後に挙げられるのは圧倒的な学習ノウハウの浸透性です。
英検は1963年から56年の歴史があり、その為に現在では非常に多くの書籍、塾・予備校の講座、ウェブサイトがそろっています。
これらの学習方法を自ら選択し、各家庭の経済状況に合わせて教材や講座を選択できることが、英検の圧倒的な強みになります。
詳細は次回の記事に記しますが、GTECも含めここまで学習ノウハウが広く浸透している英語能力試験は日本には他に存在しません。
以上の理由から、一般的な、日本生まれ日本育ちの生徒がまず受験を検討するべきは英検という事になります。
GTECは!?
さて、英検ではなくGTECの受験を勧められる方もいるかとおもいます。GTECの運営会社ベネッセは民間企業ですから、英検と異なり今回の改革で市場を拡げようと躍起になっていることでしょう。そのため学校単位、個人単位問わず営業・広告活動を繰り広げているはずです。
GTECが検討に値する条件は限定的に存在します。GTECの特徴は何よりも、試験の実施主体が教育機関も抱えていることにあります。つまりベネッセが運営する塾・予備校・教材での学習が最も効率の良いGTEC対策になるという事です。しかしながら、GTEC受験=ベネッセの教材やサービスを購入し続ける必要がある事を意味しますから、その意味ではまとまった金額を投入する必要があります。
ここから言えることは、GTECは、経済的に今後複数年にわたりベネッセの運営する塾・予備校に所属することに問題がなく、ベネッセのサービスによって英語の成績が上がっていると考えられる場合に受験を検討できるという事です。
この条件に当てはまるのであれば、引き続きその塾・予備校に在籍しGTECを主軸に受験を検討するべきでしょう。
この他の試験について
ケンブリッジ英検とIELTSは、①英語を中心とした生活を複数年した経験がある(ご家族の都合で海外での居住経験が長く、生活で使用する言語が英語であった等)②CEFR C1相当のスコアをすでに獲得しておりC2の取得を目指している方以外は検討している場合に有効です。これは、CEFR C2を取得できる4技能試験がケンブリッジ英検とIELTSに限られているからです。
最後にTEAPとTOEFLについてはわざわざ一般的な受験生が試験を受けるメリットが特にありませんので、考えないようにしてください。(TEAPについては上智大学受験を希望しており、TEAP利用入試を受験したい場合に限り検討の価値があります)
いかがでしたでしょうか。
皆様の生活・経済状況に合わせて各試験を受験していただければと思いますが、まずは英検、条件付きでGTECを受験することを念頭に置かれておくと、スムーズかと思います。
次の記事では、英検受験を念頭に置き、どのような形で英語4技能の学習をしていくべきかについてお話ていていきたいと思います。
新大学入試に向けたDIETSTUDYの取り組み
新大学入試に向けてDIETSTUDYが取り組んでいることを
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