2019.10.7
<2019年10月更新>【新入試英語-第5問-】プレテスト分析&対策
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みなさんこんにちは、2021年度大学入試改革(新入試)担当の初田です。
今回は平成30年共通テスト試行調査大問5を見ていきたいと思います。
TOPICS
引き続きみられるセンター試験との類似問題
複数選択問題が差のつくポイント
引き続きみられるセンター試験との類似問題
✓長文とポスターの掲載があるが、解答に使うのは長文のみ
✓センター試験程度の語彙・文法事項はしっかりと問われる
✓問題構成はセンター試験第四問Aと第五問の複合問題
共通テスト大問5は伝記とそれに基づくポスターを完成させることを通じた設問となっていました。今までの傾向を踏まえると複数の文章を読込み、回答を確定させる設問のように見えますが、実際には長文のみから回答根拠を探し出せばよく、その意味では純粋な読解力勝負をする問題であるという事が出来ます。
しかしながら、回答の選択肢は本文の内容を踏まえた言いかえや要約を必要とするもので占められており、従来のセンター試験そのままの出題傾向でないことは意識しなければなりません。また語彙力や読解上必要となる基礎的な文法事項は必須で、センター試験を解くのに必要となる総合的な英語力と同程度の英語力は引き続き求められています。
文章を読んだ感じではセンター試験第6問と類似した論説調の文章であり、また、問1で文章を時系列順に内容を並べる問題もセンター試験第6問と類似していました。ポスターを完成させるという点ではセンター試験第4問Aとも類似しており、共通テスト第4問と同様、従来のセンター試験の複合問題という事が出来ます。
複数選択問題が差のつくポイント
✓受験生の間で差がつく第五問
✓文章全体の趣旨の把握や選択肢の正確な解釈が求められる
✓厄介な複数選択問題には確実な英語力と自信を身に着ける事
MARCH合格を目標とする場合、この第5問における複数選択問題の正答率をいかに上げることができるかが焦点となります。
記述個所を見つけることが出来れば回答が可能な第4問の複数選択問題と異なり、第5問では文章全体を通じた内容把握を行い、それを踏まえたうえで正確な選択肢の解釈と判断をしなければなりません。
複数選択が厄介な点について少し触れおくと、消去法的に回答を選ぶことができないということがあげられます。
ある程度経験をするとわかるのですが、問題を解く場面において正解の数が指定されているという事は、実はそれ自体が問題を解く手助けになります。例えば答えを2つ選べという問題であれば「AとBは絶対に正しいけどCは微妙だな。答えの数が2つならAとBだ」という風に考えることが出来るわけですが、正解の選択肢の数が指定されていない問題だと「AとBは絶対に正しいけどCは微妙だな。複数解答だからCが入る可能性があるし…」という具合に回答をいつまでも確定させることができません。
しっかりとした英語力に加え、自分の持つ英語力への自信が問われる問題であり、英語力、思考力、判断力が総合的に問われる問題と言ってよいでしょう。
よって受験生の間で得点の差が大きな差が開くとしたらこの第5問からです。気を引き締めて取り組むようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。共通テストではこの第5問から受験生の英語力を本格的に測り始めていることがわかりました。本格的な長文に加え、文章全体の内容を把握する必要のある設問、正確な訳、解釈が求められる選択肢の構成には、速読のための英語への慣れ、精読のための語彙・文法力、文章全体から内容を把握する思考力、選択肢を決める判断力とその判断を可能にする英語力への自信が必要となります。
日ごろから積み上げを行い、自信をもって試験に臨めるよう学習を深めていきましょう。