2019.12.8
浪人生コラム①-私立大学難化の原因とは-
みなさんこんにちは、浪人生コラムを担当しております初田です。
今回から複数回にわたり、「浪人生」という言葉に焦点を当て、私立大学受験における浪人生の実態をお伝えしていきたいと思います。
さて、今回は浪人生が置かれている受験環境にフォーカスを当てたいと思います。
数字で見る浪人生の受験環境
「私立大学が難化した」ってどういうこと?
学校の先生、塾、予備校の事務員、友達から、「最近は私立大学めちゃくちゃ難しくなったから浪人は避けた方が良い」とか「私大は難化しているから浪人は止めておきなさい」とかいった言葉を聞くことが増えたかと思います。
まず、そもそも論として「私立大学が難しくなった」とはどういうことなのかついてみていきましょう。
「私大の難化」とは
以下のグラフは過去5年間の規模別でみた大学の志願者倍率(入学定員に対する志願者数の割合)と充足率(入学定員に対する入学者の割合)を表しています。
(出典:私立大学・短期大学等入学志願動向)
中・大規模の大学ではっきりと2016年から志願者倍率が上がり、充足率が下がっていることが分かります。入学定員に対しての応募人数が多くなっている一方で、定員超過を上回る学生の受け入れに大学が消極的になっていることが分かります。
このグラフを見たら、わざわざ予備校に通って浪人するのを止める大人の気持ちも分かりますよね。
また、同じ時期の規模別でみた合格率を見てみると
受験者数は毎年増える一方、合格率は減っていることが分かります。
つまりここ5年間の私立大学の中規模・大規模校における受験環境は
①受験者数の増加②合格者枠の削減によって「2016年から受験者数が増加するその一方で、大学全体として入学枠が削減されために合格率が大きく低下」していることがわかります。
「私立大の入試が難化した」という肌感覚は数字の上からも正しいという事になります。
実際にこれをご覧になっている方の中にも、現役でMARCHに合格すると思われた先輩が浪人をする場面を目の当たりにした方も多いのではないでしょうか。
なぜこんなことが起きたのでしょうか。受験を控えた現役生の方にも、浪人生の方にも現在の受験環境を理解して塾・予備校選びに役立ててもらうために、次回以降のコラムではこの点について掘り下げていきたいと思います。