2016.4.6
受験勉強を開始する前に意識しておくべきこと
今回は(主に浪人生が)受験勉強を本格的に開始する前に気を付けておきたいことを書いておきます。
前年度入試が不本意な結果に終わり、この春から新学期を迎えて新たな気持ちで勉強に取り組んでいる浪人生にとって、4月第一週に達成しなければならない課題は大きく3つあります。
一つ目は「生活習慣を整えること」
高校生時代は学校生活を中心に生活リズムができあがっていますが、軸となる学校を失った浪人生の場合はかなり強く意識していかなければ生活リズムはすぐに乱れてしまいます。そして、生活リズムの乱れは学習時間の減少につながり、結果として成績の低下につながっていきます。人それぞれいろいろな事情を抱えての大学受験ではあると思いますが、いずれにせよ受験生の目的は成績を上げて志望校に合格することです。目的から逆算し、学習時間の確保のために、まずは生活習慣を整えることを第一の目標としましょう。
具体的には、塾・予備校の授業の有無に関わらず、毎日同じ時間に起き、できれば早朝にランニングなどの運動する時間を設け、毎日同じ時間に自習室に向かいましょう。例えば、当塾生であれば、朝6時に起き、30分ほどランニングした後にシャワーを浴び、それから朝食をとって9時前に塾の自習室に向かう。昼に1時間休憩をはさみ、19時に自習室を出て20時に帰宅する。このような規則正しい生活をまず一週間だけでいいので続けてみてください。余計なものが削ぎ落とされて頭の中がクリアになっていきます。
二つ目は「復習のやり方をつかむこと」
学校の先生や塾の講師は授業の最後に必ずと言っていいほど「じゃあ、ちゃんと復習しとくように!」という決め台詞を残して立ち去ります。これを聞いて生徒の方も、「よっしゃ、ちゃんと復習しとこう!」と思っているようなのですが、復習とはいったいどのような勉強を指すのでしょうか。授業のプリントやテキストを見直して間違えたところを確認する、あるいは、授業内容を全てノートにまとめ直すという勉強が復習だと多くの人は思っているようですが、それは少し本質からズレています。
復習の本質とは「思い出すこと」です。授業のプリントを見直しても、きれいにノートにまとめ直しても、今日一日で学んだことを思い出せなければそれは復習できていません。逆に、プリントを捨ててしまっても、ノートを一冊も作らなくても、今日の授業内容を全て思い出せるならそれはきちんと復習できています。メモやノートを利用することはありますが、それはあくまでも「思い出す」という目的のためのツールであって、メモやノート自体には何の意味もありません。この点を早い時期に理解して実践できるかどうかで今後の成績の伸びが大きく変わってきます。
このように、思い出すことが復習であるという意識を持てるようになると、ふたつのメリットが出てきます。ひとつは、「思い出せるかどうか」という明確な学習基準を自分の中に設定することができるようになり、「あとで自分で思い出すためには、いま何をポイントとして理解すればよいか」など、日々の授業の聞き方自体が効率的になっていきます。もうひとつ、メモやノートに頼らず勉強できるため、時間や場所を選ばず復習できるようになります。究極的な応用例としては、夜のお風呂の時間に今日一日の復習、翌朝のランニング後のシャワーのときに前日の学習内容の復習というように、生活リズムに結び付けて復習の時間を設けておくと非常に効果的に運用できます。
三つ目は「英語の読書量を稼ぐこと」
私立文系の受験生にとって英語は絶対に避けては通れない科目です。国語と社会だけが抜群にできても、英語が人並み以下の点数だと最難関大学までは届きません。英語を特に重視する慶應大学には当然受かりませんが、三科目で得点調整を行う早稲田大学にも合格できない仕組みになっています。また、MARCHの中でも上位である明治大学と立教大学には届かないことがほとんどです。長々書きましたが、わざわざ言うまでもなく、私立文系にとって英語が最重要科目であることは間違いありません。
では、英語の成績を伸ばすにはどうすればいいか。
ある程度効率的な勉強方法はありますが、英語の成績は究極的には「これまでに読んだ英文の総量」と強い相関があります。簡単に言えば、たくさんの英語に触れてきた人はより速くより正確に英語が読めるのです。正確なメカニズムはわかりませんが、端的な事実です。したがって、比較的時間に余裕のあるこの時期にできるだけ大量の英文に触れておきましょう。具体的には、5月初旬のマーク模試までにペーパーバックを100冊、語数にして50万語程度読破しておくと万全です。
以上三点に気を付けて、みなさんの大事な一年間のスタートを切ってみてください。