2014.6.23
【読み込み】の重要性について
こんばんは、村山です。
今日は当塾の合格保証条件の根幹に関わる読み込みについて説明させて頂きます。読み込みという英語勉強法自体がそれほど一般的ではありませんので先に軽く説明しておきますと、読み込みとは一度完璧に文法的に精読した英文をCD音源を聞きながら繰り返し読むという非常にシンプルな勉強法です。詳しくはHow to use CDをご覧ください。
当塾ではこの読み込みを非常に重視しています。というよりも、読み込みを行わない生徒がMARCH以上の難関大学に合格する可能性はほとんどないと考えております。その理由としまして、現行大学入試における速読の重要性が挙げられます。センター試験が顕著ですが、私立大学個別入試でも特に2000年代後半以降は英語を速く読むというスキルが受験生に求められています。この点に関して実験的に生徒たちに時間無制限でセンター試験の過去問を解かせてみたことがあるのですが、そのときは普段110点~140点程度しか取れない生徒も含めてほとんどが180点前後の点数を取ることができました。しかし、彼らが本番でも180点を取れたかというとそうではありません。やはり制限時間に泣かされて本番では普段と同様の点数しか取ることができませんでした。
以上のことから、現行大学入試の英語では特に速く読む訓練が求められると結論付けています。逆に言えば、いかに語彙を鍛え文法を正確に学習しようとも、速く読めない受験生はそれだけで門前払いされてしまうという現実があります。
さて本題に入りまして、英語を速く読むために当塾では以下の学習が必要だと考えています。
1. 語彙
当然ながら単語・熟語を知らなければ英語は読めません。したがって語彙強化型の受験勉強は遥か昔から変わらず行われているわけですが、特に速読という観点から語彙の問題を考えた場合、単語・熟語への反応速度を上げるという形式で学習を進めておくことが望ましいでしょう。反応速度を上げるには反復練習が最も効果的です。
2. 前から読むための文法
英語を速く読むという観点でとらえたときに、後ろから英語を訳しあげるという読み方は最悪と言えます。これは説明するまでもないかもしれませんが、英語を後ろから訳しあげて読むということは一度英文を最後まで読んで、その後に意味が発生するというステップを踏んでいるということになり、前から読む場合に比べて明らかに二度手間です。これに関しては全英文を見た後でなければ正確な構造は掴めないという反論もあるとは思うのですが、前から読むための文法というのは100%の正確さを捨てる代わりに98%程度の正確さでとにかく速く読むことを目的としています。ここで全てを説明することはできませんが、例えば、普通に勉強している受験生なら”The fact that…”ときた場合、このthat節はおそらく同格のthat節と考えます。あるいは”the ability to bring up…”とくればこのto不定詞の用法はほぼ確実に形容詞的用法、”anything that…”ときた場合はたぶんこのthat節は形容詞節、他にも”When we watch animals…”ときたらこの英文は5文型になるのではないか、など100%そうなるとは確信できないまでも英語という言語の性格上「たぶんこうなるだろう」という予測をしながら読んでいきます。これはある程度以上英語が得意な方はすでに無意識に行っている作業ではありますが、英語が苦手という段階から10ヶ月で逆転合格を目指すためには意識的に鍛えていかなければならない能力です。当塾の英語の授業で前から読む訓練を徹底しているのはこの予測能力を養うためです。授業プリントでいえば青ラインの部分に当たります。
3. 英語を読むこと自体に慣れる
Practice makes perfect.という諺もあるように、多少の誤差はあるにせよ、簡単に言えば「これまで読んだ英文の総量=英語力」と言えます。中学で習う英文法程度の知識がある方であればあとは大量に英語を読んでいくうちに自ずと英語は読めるようになります。これは不思議なことではありますが、まぎれもない真実です。”This is a pen.”をわざわざ「これはSVCの第二文型。ゆえに、S=Cが成り立つ。したがって、This=a penを表す」などと文法的に解釈しながら読む人はいないように、最終的には文法はほとんど意識しないで、かつ、正確に読めるようになるのですが、そのためには大量の英文に触れて英語に慣れる必要があります。
まずはここまで納得して頂けたでしょうか。
そして、以上3点を意識して学習を進めるために最も効率のよい方法が読み込みなのです。
まず、読み込みは1回2回ではなく数十回、数百回単位で行うものですので、読み込み用テキストに出てくる単語・熟語はほとんど見た瞬間に意味が頭に浮かぶレベルまで反復学習することができます。当塾では読み込み用テキストを受験までに3冊使用しますので、指示通り勉強していれば3000単語程度は見た瞬間に反応できるようになります。また、授業プリントでの青ラインをヒントに前から読むという意識を持って読み込みをしていくことで予測能力も同時に鍛えることができます。さらに、CD音源と合わせて読み込むことでおおよそ1分につき150語程度の英文量に触れることができ、60分で9000語、3時間あれば27000語分の英語に触れることができます。センター英語の総語数が現在4000語前後ですので、これは3時間の学習でセンター試験約7回分の英文量を精読できているということになり、圧倒的な学習量と言えます。仮にセンター試験を7回分精読するとしたら一週間かけても終わらないはずで、それほどの学習量をCDを聞きながら読み込むだけで実現できるのです。読み込みはそれなりにつらい作業ではありますが、センター試験7回分を精読することに比べれば1/10以下の労力で済みます。この異常なまでの効率の良さも逆転合格を目指す生徒にとって読み込みが必要不可欠な理由です。
まとめます。
読み込みは
1. 語彙強化ができる
2. 前から読む文法、予測能力を鍛えられる
3. 慣れを養える
4. 手軽に効率よく実践できる
英語勉強法で、古典的文法問題(センター第二問)以外には全てに対応できる万能性を備えています。
納得したらとにかく読み込みましょう。それでも納得できない場合は自分で考えた方法で頑張ってください。