2018.11.16
社会の成績を上げる唯一の方法
社会(世界史・日本史)の成績を上げるための暗記法については、毎年多くの生徒から質問を受けますが、その回答はとてもつまらないものになってしまいます。社会暗記の基本を一言で言うなら、「反復」です。
「反復」しよう。とにかく「反復」しよう。
「社会を覚えられない!」という人は世の中に相当数います。そして、勉強が苦手という認識を持っている方は、簡単に暗記している(ように見える)人たちに【才能】とか【地頭】といった言葉をつかい、自分とは違う生き物のように思われているかもしれません。ただ、その前に聞きたいのは「で、あなたは何回くらい反復したのでしょうか?」ということです。
ある生徒は初修の世界史でセンター試験95点を取りましたが、彼は教科書を10カ月で15周はしたと言っていました。これは「ただ15回そのページを見た」ということではなく、覚えるために繰り返し読み返す作業や確認テストのための学習を含めると、少なくとも20~30回はそのページを見返していることになります。
何が言いたいのかと言いますと、まず必死に勉強しましょう。コツや効率はその後です。「どうせ忘れるからマイペースでやる!」というのも成績が上がらない生徒の言い訳としてよく聞きますが、人間なら誰だって忘れます。だからこそ、忘れそうになっているところに重ねて叩き込んでいかなければなりません。全てに上手いゴロがあるわけでもなく、全てが初めからきれいに理解できるわけでもありません。誰が何と言っても社会は基本的に反復量で決まります。
それでも暗記速度に個人差がある理由
いくら暗記が得意だからといって1回見ただけで覚えるような人は事実上存在しないのですが、数回見ただけで覚えてしまえるような人は確かに一定数存在します。このように暗記が得意な人は反復の仕方がうまい&速いというのが最大の特徴ということになるでしょう。
反復のコツは3つあります。
1. 自問自答をすること
「アヴェスター」とだけ127万回紙に書き殴っても問題は解けません。重要なのは「ゾロアスター教の経典なにか?→アヴェスター」と自問自答しながら学習することです。早めにこのコツを掴んでください。これさえ掴めれば暗記問題はほぼ全て解決すると言っても過言ではなく、逆に言えば、これができない人は暗記作業に膨大な時間をかけても成果が伴わないでしょう。
2. 必ず問題演習をはさむこと
教科書だけを眺めていても問題は解けません。「ある程度覚えたな」と感じたら問題集に着手し、「何が問われているのか」「何の知識があれば解けるのか」をよく確認して再び教科書暗記に戻ります。このとき、頻繁に聞かれる項目は何か、問題はどのように出されるかを意識することが重要です。
3. 反復回数を増やすこと
「社会は覚えるだけ」「暗記は反復だ」。たしかにその通りです。なぜなら、「記憶は思い出した回数だけ強化される」からです。丁寧に集中して3時間かけて一周するよりも、3時間かけて3周する方法を取る人のほうが圧倒的に成績を伸ばします。なぜなら、一周しかしない場合は、「ゾロアスター教の経典なにか?→アヴェスター」を1回インプットして終わりですが、3周すれば3回のインプット作業が入るためです。この「問いかけながら勉強する」技術(技術であって才能ではありません)を身に付けることが、思い出す回数を自然と増やす癖付けとなり、結果、記憶が強化されていくのです。
暗記が苦手という方の多くは上記3つのどこかでつまずいているように思います。まずは自分の勉強法を見直し、意識できていなかった点は修正していきましょう!特に私立文系の大学受験においては必須のスキルになります。