さて、お待たせしました。
いよいよセンター試験勉強法シリーズ最終回にして荒行パート2、漢文の勉強法に入りたいと思います。大学受験業界では「古文・漢文」のように古文とセットで呼ばれることが多いこの科目ですが、先に書いておきますと古文とは比べ物にならないほど簡単な科目です。脱力していきましょう。一緒にされている理由は、おそらくその不毛さが際立っている二科目だからだと思われます。
まずは漢文の読み方を
高校などでまったく漢文の勉強をしたことがないという方は、まずは漢文の読み方を知ってください。漢文には返り点というものがついていまして、漢字を読む順番を教えてくれています。この返り点にしたがって読んだ文を書き下し文というのですが、その語義からして、日本人が古代中国語を日本語に変換して読むために考案された手法であり、つまり、書き下すことさえできればそのまま読めるはずなのです。漢文は実際このような側面が強いです。
ただし、大学受験勉強としてポイントとなるのは、その書き下す際に独特の言い回しが多いのでそれを暗記してしまわないといけないところです。まずはここを押さえましょう。『新・漢文の基本ノート(日栄社)』をやってください。この問題集、薄っぺらくて簡単かと思わせておいて意外と難解なところがありますので、あまり細部にはこだわらず「こんな句形があるんだ」程度で軽めに終わらせましょう。一週間が目安です。
時間がない方は、最頻出の「再読文字」「二重否定」「使役」「受身」「反語」の項目以外は飛ばしてしまっても構いません。
即演習
返り点さえきちんと読めるようになれば、実はこの段階で早くも問題演習に入るというのが悪くない一手です。漢文は実に芸のない科目でして、何回も同じことが聞かれます。よって、問題演習を通じて少しずつ学んでいくだけでいつの間にか全範囲を網羅してしまいます。もう少し漢文に慣れてから問題演習に入りたいという方は下に書いた参考書の方を先にやってみてください。
センターだけであれば問題集1冊+過去問で十分です。時間がない、もしくは時間はあるけど時間をかけたくない方は、『マーク式基礎問題集(河合出版)』に挑みましょう。さらに、しばらくは漢文に慣れるために問題文を音読するといいです。
漢文の単語
何にせよ語学を勉強するときには、文法と同時に単語を覚えることが重要になってきます。しかし、漢文の場合、単語は漢字ですので、特に新しく覚えなくともまったく読めないということはありません。とはいえ、今の日本では使われていない漢字や読み方が分からない漢字が出てくるのも事実です。
そこで、単語暗記+最終確認としてあと1冊だけやりましょう。『田中雄二の漢文早覚え速答法』、これが使えます。ただし、すべてをやる必要はありません。巻末の方に、漢文の重要句形・重要漢字をすべて網羅した自作の漢文が掲載されていますので、それを繰り返し音読して丸暗記してしまいましょう。そして、これで漢文の学習は終了となります。
以上、センター試験に向けて必要な科目の勉強法を一通りまとめました。
勉強を始めてみると分かると思いますが、英語以外の科目にはほとんど時間はかかりません。英語の実力をじっくり伸ばしながら、他の科目は集中的に時間を作って一気に仕上げてしまいましょう。