Table of Contents
※塾の授業で扱っていないため、更新・質問受付を停止しています
センター試験分析
センター地学は知る人ぞ知る穴場科目です。同じく理科に分類される物理・化学・生物に比べ、圧倒的に勉強量が少なくて済みます。難点として平均点が年によって高かったり低かったりマチマチな点がありますが、それは単純に勉強が足りない受験生が多いためで(ほとんどが文系の片手間理科)、問題が特別難しいというわけではありません。
ただし、勉強・解法ともに少しだけコツがあるので、それを見ていきましょう。
ちなみに、2003年度センター地学の受験者数は23,646人で、他の理科3科目は物理148,752人、化学201,745人、生物176,210人と、まさに桁違いです。文部科学省に見捨てられる前にオイシイところを頂いておきます。
以下は2003年度センター地学の分析です。
問題内容 | 配点 | |
---|---|---|
第一問 | 天文 | 20点 |
第二問 | 大気・海洋 | 20点 |
第三問 | 固体地球 | 20点 |
第四問 | 地質・地史 | 20点 |
第五問 | 岩石・鉱物 | 20点 |
このようにセンター地学は大問5問に点数が等分され、それぞれが小問6問から成っています。この形式は2000年度から3年連続で引き継がれ、今後も大きな変動はないと思われます。
私が受験生の頃は大問は4問で、設問数が少なく、1問あたり4~5点でしたが、現在は1問あたり3~4点と低くなっており、いわゆる「コケる」リスクは少なくなりました。しかも、大問5問はこの3年間、内容・順番ともに全て一緒という徹底ぶりです。それでは勉強法に入りましょう。
まずはテキスト選びから
地学に関しては本屋へ行ってもほとんど本が売ってないので、他の科目ほど何を買っていいのか迷うことはありません。しかし、センター地学が簡単とはいえ地学自体が簡単なわけではないので、間違って変なテキストを買ってしまうと深みにはまります。時間がある方ならそれはそれで結構なのですが、ここではもちろん最短距離をご紹介します。
このテキストを使ってください。悪いことは言いません。発行元の語学春秋社によると、「いまや地学受験者の必携バイブル」と書いています。たしかに内容は申し分ありません。
テキストの使い方
ここからが差のつくところです。実況中継シリーズはその名の通り、予備校の授業をそのまま活字化したもので、話言葉で書かれていて非常に読みやすい作りになっています。そのため、「読んだだけで分かった気になる」という罠が待ち構えています。
これは大学受験全体に当てはまる非常に恐ろしい罠で、毎年何万人もの大学受験生が予備校に通っただけで「分かった気になり」、本番で玉砕して初めて分かっていないことに気が付きます。
そこで二重のチェック体制を敷いて、この「分かった気」を排除します。まずは勉強という感じではなく、軽い読書のつもりで全体を読み通してみてください。
チェック体制 第一弾
テキストに完全準拠して、オリジナルの穴埋め式テキストを作りました。
やはり実際に「書く」という行為は暗記に際して非常に重要で、かつ、実況中継の「話言葉」という手法も秀逸であるという見解から「穴埋め式」と「話言葉」の両方を満たすテキストがベストだと判断しました。テキストを読めば穴は埋まるようになっていますので、解答は用意しません。(公開は終了しました)
チェック体制 第二弾
こちらはご想像通りだと思いますが、センター試験の過去問を解くことです。上で見たように地学は問題毎にはっきりと単元が分かれていますので、ひとつの単元が終わったらその単元の問題だけを解くという方法が有効です。
それによって単元の学習理解が深まり、しかも勉強した直後であれば簡単に問題が解けるはずです。それをたった5回繰り返せばいいだけなので、地学に対する楽勝感が漂ってきます。地学は問題の性質上あまり油断するとヒドい目に遭いますが、それは後ほど詳述するとして、ある程度肩の力を抜くのも大事なことです。
注意点として過去問題集は黒本を使いましょう。少なくとも赤本は避けてください。解説が解説になっていません。
油断大敵
ここまで来ると、地学の基礎知識は大体押さえています。この「大体」というのは受験勉強で重要なテーマなのですが、勉強はいくらやっても完璧にはなりません。必ず知らない問題は出ますし、必ず知識だけでは解けない問題が出ます。これは大学受験生レベルではどの科目にも100%言えることです。
特に地学は出題範囲がかなり狭いので出題者の方もアノ手コノ手を使ってどうにか「知らない」問題を作ってきます。しかし、「知らない」問題と言ってもそれは一見すると知らないだけで、考え方や元になる知識は知っていることがほとんどです。
よって、地学の問題を解くに当たっては、問題文を必ず熟読してください。これは塾生にも口すっぱく言っているのですが、どうも問題だけを見て「あ、コレ知ってる!」「コレは知らない」となる傾向が強いようです。繰り返しますが、問題を解くときは頭を使う作業を嫌がらないでください。お願いします。
最短距離で行くということは、それだけ頭を使うということなのです。
最後の追い込み
とはいえ、です。
実況中継テキストは著者も言っているように、地学の全範囲を網羅しているわけではありません。つまり、このテキストだけでは「本当に」知らない問題が出るわけです。そこで、一冊だけ問題集をやりましょう。たった一冊です。
これさえやれば地学はほとんど完璧です。
注意点としては解説をしっかり読むことはもちろんですが(すごく丁寧な解説です)、問題集に直接答えを書き込まないようにしてください。みなさん問題集に赤で正解を書いたりするのが好きなようですが、絶対やめてください。復習ができなくなってしまいます。解説の方はどんどんチェックを入れていいので、問題の方は常にきれいな状態にして、何回も解くことが重要です。
さて、今回もお付き合いありがとうございました。そろそろ私を信じてくれる気になったでしょうか。ちなみに私自身はこの方法で1999年度センター地学満点でした。