2014.6.10
新ブログ開始
こんばんは。
EDIT STUDY塾長の村山です。このブログでは主に勉強に関するトピックを塾の内部生に向けて書きつつ、外部の方にもお役に立てる内容を目指していくつもりです。よろしくお願いします。
第一回目となる今回はカリキュラムについて。
当塾は他の塾や予備校とは大きく異なるカリキュラムを組んでおりますが、その理由を3点に分けて改めてご説明させて頂きます。
1. 配点比重
大体どこの私立大学でも英語・社会・国語の配点は、英語>社会>現代文>古文>(漢文)の順番になっておりまして、国立と違って科目数が少ないことから、特に英語を苦手とする方が最上位私立大学に合格する可能性は極めて低くなります。また、ほとんどの大学・学部で合格最低点のボーダーラインは7割前後になっていること、難しいと言われる社会も近年は基礎問題の比重が高くなっていることを考慮すると、一般的な戦略として英語と社会を重視すべきというのはご理解頂けると思います。
2. 科目特性
英語という科目を細かく分析すれば、1. 単語・熟語、2. 文法問題用文法、3. 構造把握(読解用文法)、4. 速読(慣れ)、に細分化されます。どれが欠けても入試で安定した高得点を取ることはできません。1・2に関しては暗記事項のため反復量勝負、3・4に関しては読み込み量勝負というように、ひとつの科目の中で異なった勉強の質が求められるうえに、意外と認識されていませんが、単純に暗記事項の量だけでも社会に匹敵するレベルの負担があることから、英語は全科目中、最も追い込みが利かない科目です。直前の追い込みでなんとかなるのは1・2に関する部分だけです。年度開始から1.5ヶ月間も英語のみを集中的に勉強し続ける理由はここにあります。
対照的に、社会に関しては「正しく」勉強しさえすれば一気に成績を上げることができます。どのような勉強を「正しい」と呼ぶかは授業あるいはこのブログで確認していきたいと思いますが、点数に直結しやすい社会を夏前のこの時期から集中的に叩き込む理由は国語の科目特性と大いに関係があります。英語と社会は上記のように異なった特性を持つ科目ではあるものの「勉強量が得点に反映されやすい」という点においては共通点があります。
一方で、国語、特に現代文に関しては何を勉強すれば「誰もが」「安定して」「高得点」を取れるようになるかというノウハウが確定しているとはとても言い難い状況です。もちろん演習・問題慣れを通してある程度の対策を取ることは可能ですが、英語と社会ほど確実にセンター試験満点を狙えるかというと甚だ疑問です。当塾のカリキュラムを真剣にこなして頂ければ英語と社会は十分にセンター試験満点を狙えると言えるからこそ、現代文という科目の不安定さは際立っています。また、古文に関しては古文の勉強法の方に詳しく書いたのですが、勉強方法は現代文よりも確立しているものの、配点の割りに満点までに必要とされる勉強量が膨大です。
3. 費用対効果
以上を踏まえ、最終的に問題になってくるのは限られた資源(時間)をいかに効率よく分配するかということです。時間が無限にあるのであればどの科目から勉強を始めるかというのは些末な問題でしょう。しかしながら、みなさんには1年、正確には10ヶ月間の準備期間しか与えられていません。この状況において「なんとなく不安だから」という理由だけで全科目を並行して勉強することは、実は勤勉とも向学心とも呼べず、単なる思考停止であると言えます。そして、費用対効果の順に科目を並べれば社会>英語>古文>現代文となるのは、いかに頑固な方でも真剣に「教えた」経験がある方なら納得してもらえる事実だと思っています。
当塾のカリキュラムは以上の1~3を踏まえて決定しています。また、最上位校合格に必要十分な知識量を満たし、かつ、生徒の処理能力を越えないギリギリのラインでテキスト・テスト範囲も指定しています。
本屋の受験書コーナーに行く、あるいは、大手予備校の配布テキストを見てみれば分かると思いますが、世の中に受験勉強に関する書籍は無限と思えるほど多数存在します。しかも性質の悪いことに、そのどれもが真剣に取り組めば大なり小なり一定の効果を発揮するものです。したがって、教える側からしてみれば「それは要らない」と断言することはなかなか勇気のいることですが、この10年間でその段階を越えてきたという自負はあります。
さすがに塾の指定テキストだけで私立大学入試の全てを網羅したとまでは言えないものの、センターと違って私立大学入試は満点を狙う類のものではありません。基礎を確実に固めたうえで、あとは各学部毎に対策を練って臨みましょう。詳しくはまた時期が来れば書きます。
さて、塾ではいよいよ社会の二周目が始まる時期です。
ここで受験の成否が決まるという緊張感を持って夏を迎えましょう。