• メンタル・モチベーション管理

    受験勉強におけるメンタル面やモチベーション維持、管理方法に関するQ&A集になります。

    Q Q. やる気が出なくて自習室に行けないのですが、どうすればいいですか?
    A A.モチベーションに左右されずに勉強するための工夫で「作業興奮」という理論があります。

    ▼「作業興奮」とは
    気持ちや気分にかかわらず、とにかく作業を始めて筋肉を動かすと脳の側坐核という部位が反応をして作業興奮が起こります。側坐核は、一定以上の刺激を受けるとアセチルコリンという神経伝達物質を分泌します。このように、作業を行うことで筋肉を動かし脳細胞が活性化する現象を作業興奮と言います。なので、作業興奮を起こすコツは「筋肉を使うこと」になります。

    ▼「まずは動いて」やる気を活性化させる
    普段からやる気や集中力があると言われる人々は、実は特別な才能があるわけではありません。そのような人は、脳をその気にさせるやり方が上手なのです。そのやり方とは、とにかく「まずは動く」ということです。受験勉強でいうと、やる気がなくても、気分が乗らなくても、とりあえず自習室に行って、机に向かって勉強を始めてみるのです。そうやって実際に「動く」と、脳は手先や視覚からの刺激を受け、次第に活性化されていきます。これをしばらく続けていると調子が上がってきて、自然に「やる気が沸いて」きます。

    ▼ こんな経験はありませんか?
    遊びやスポーツも始める前はあまり乗り気でなくても、いざ身体を動かし始めると次第にその遊びやスポーツに熱中したりします。人間も動物なので、いくら脳が発達しているといっても、もともとは考えるよりは身体を動かす方が得意な仕組みになっています。身体を動かしたり手先を使ったりする仕事では、自然に「作業興奮」の状態に入りやすいと言えます。

    勉強に関しても作業興奮を上手く利用すればスムーズにやる気を引き出せるようになります。まずストレッチや深呼吸をした後に机に向かってみたり、ウォーミングアップ的に好きな科目から勉強したり、「やる気の脳」を活性化する習慣をつけることが秘訣です。なお、「作業興奮」という理論を知っていても、「まずは動く」を実践しないかぎりやる気は出ません。

    ・やる気出ないな~、モチベーション上がらないな~
    ・今日は授業休んじゃおうかな~
    ・自習室行くのめんどくさくなってきたな~

    などのセルフトークが聞こえてきたら、「まずは動く(ex. とりあえず起きてシャワーを浴びる、塾に行く、机に座ってペンで字を書く、カフェに入ってテキストを開く、など)」をルーチンにして、上手にやる気をコントロールしていきましょう。

    ◇ 一言で要約
    やる気が出ないときこそ、とりあえず行動する!!
    Q Q. 家に帰ってからも勉強したいと思っているのですが、ついダラダラしてしまい、結局何もしないま ま寝てしまいます。
    A A. まずは「最低限これだけはやる」というものを決めましょう。3 分でも 5 分でも良いですし、一番
    自分がとっかかりやすい勉強で OK です。乗ってきたらそのまま勉強を続けてもいいですし、ちょっと
    今日はダメだなと思ったら 5 分でやめてかまいません。そのうえで、「何もしていない先週よりはでき
    ているな」と肯定的にとらえてみてください。この 5 分の積み重ねを続けていくうちに、徐々に家での
    勉強も習慣化していきます。少しずつ成長していきましょう!
    Q Q. 授業開始から 1 週間、高校と塾との両立が始まり結構疲れました。今後が不安です。
    A A. 4 月は学年の変わり目で高校でもクラス替えがあったり、環境が大きく変わる時期です。人間、環境
    が変わるとその環境に適応するまでにメンタルも体力も使いますので、その疲労感は環境に適応しようと頑張っている証拠で正しい状態です。この状態は新生活を迎える大人にも当てはまりますし、他の生徒も同じような相談を 1on1 でしていますので安心してください。受験生としての新たな環境に適応していけるよう 1on1 などを通してサポートしていくので気軽に相談してくださいね!
    Q Q. 授業やテストでわからなかったことが多く、モヤモヤしてしまいます。始めたばかりなので仕方な いのはわかっているのですが...。
    A A. そんなときは「わからなかったこと」ではなく、「わかるようになったこと」に注目してみましょう。たとえば「昨日は To 不定詞の判断手順がわからなかったが、今日はそこがわかるようになった!」というように、小さなものでもいいので何か得たものを探し、まずは自分の成長を素直に認めてあげましょう! そうして、「今日はこれだけ成長できた!」と前向きに勉強に取り組んでいきましょう!
    Q Q. 勉強していて集中力が切れたときにどうすればいいですか?
    A A. 3 つ提案があります。

    ① とりあえず自分の好きな科目の勉強をしてみる
    ② 開き直って仮眠を取る
    ③ 外に出て気分転換をする

    良識の範囲内で多少の離席は OK(20 分以内が目安)です。例年、時間を決めて仮眠したり散歩している人も多いですよ。
    Q Q. 部活が忙しく、すでに引退して時間のある周囲をみると焦ってしまいます。
    A A. 焦る気持ちは十分理解できます。ただ意外に思うかもしれませんが、「部活を引退して時間ができたはずなのに、勉強時間が増えない」と悩んでいる受験生(浪人生含め)も多くいます。勉強しなくてはいけないのに誘惑に負けてしまい、ついつい時間を他のことに使ってしまうんですね。いま部活と受験勉強を両立するうえで、「空いた時間を全て勉強に充てる」という意識と熱量を持つことが非常に重要です。その意識を維持することができれば、部活引退後にフルスロットルで受験に打ち込めて、そういう生徒は志望校に合格していきます。
    Q Q. 気圧や天気の変化があり勉強できない日があると、「無理にでもやらなくちゃ」となり夜遅くまでや ってしまったりします。
    A A. 計画していたことが実施できないと不安になりますよね。その時に、「〇〇しないと!」「〇〇しなきゃ!」と考えるのではなく、「今日は体調を整える日だから全部できなくてもいい」と自分に許可を与えてみてはいかがですか。夜遅くまで実施をすると生活リズムや勉強のリズムが崩れてしまいますので、適度に許可を与えながらリズムを維持していきましょう。大丈夫です。
    Q Q. 受かった先輩が高校がある日にも 12 時間勉強していたと言ってました。体育祭目 前で夕方まで応援部の準備があり、内職しても 3~4 時間しか勉強できずに焦ってます。どうしたらい いですか?
    A A. それで OK です。学校行事など自分の力では調整できない要素は気にしないようにしましょう。不必要にモチベーションや自己肯定感を下げてしまいます。MIN4 時間、MAX8 時間、夏休みに 12 時間できるようグラデーションつけてやっていきましょう!
    Q Q. 家からどうしても出たくない時があるのですが、どうすればいいですか?
    A A. 気持ちは行動することでついてくる(作業興奮)という理論を思い出して、とりあえず外に出ましょう。何もしなくてもいいから外に出て行動すると気持ちも後からついてきます。とりあえずの目標は「自習室に行って 15 分だけ勉強するフリをする」などで OK です。どれだけ少ない勉強時間でも「行かないよりはマシ」なのです。
    Q Q. 4月に頑張ったせいなのか5月病なのか、最近疲れているように感じています。ただ、勉強をサボる と罪悪感があったり、他の人が勉強していたら自分だけ遅れてしまうとか、アレコレ考えてしまいま す。どうしたらいいですか?
    A A. 一般的に新生活が始まる4月は「新たな環境に適応しよう!」と心身ともに体力をとても使います。5月頃に新たな環境に適応してきた結果、「慣れてきてダレてしまう」「体力を使って疲労が溜まった分、休みたくなる」ということは大人でもよくあることなので、新たな環境に適応している結果だとポジティブに捉えましょう。合わせて、疲れを感じたら「勉強を継続するために」休息をとるようにしましょう。ポイントは「サボっている」という感覚を持たずに「勉強を継続するために」主体的に息抜きをしているという感覚を持つことです。
    Q Q. 私は指定校推薦の可能性がないのですが、定期テスト期間では受験に直接関係ない科目の勉強も卒 業のために赤点にならないように勉強しないといけない状況です。どうしても無駄だと思ってしまい 気持ちの整理がつかないのですが、勉強はしないといけません。この手の勉強をどのように捉えて勉 強すべきですか?
    A A.「卒業のために赤点を取らない」という目的がハッキリしているので、受験に関係ない科目の勉強は「勉強のキャパを広げる成長機会」だと捉えるようにしてはどうですか? 具体的には、今まで1日3時間受験勉強に費やしているなら、早起きする、移動時間を使うなど隙間時間を作って定期テストの勉強を1~2時間やるようにします。定期テスト終了後、その隙間時間1~2時間を受験勉強に充てれば結果的に1日の勉強時間が3時間→5時間に増えることになります。この+2時間の上乗せが一般入試までこれから約8ヶ月毎日継続したら、とんでもない上乗せになりますよね。「この定期テスト時期の苦しみは受験勉強にポジティブに働いている」という感覚を意識的に持つように取り組みましょう。
    Q Q. 睡眠時間を多くとりたいのですが、家に帰ってからダラダラしてしまい気がついたら夜遅くになっ てしまいます。どうすれば切り替えて動くことができるでしょうか?
    A A. 一日の終わりは勉強の疲れもたまりやすいですよね。家に帰ってから寝るまでの流れを一度紙か携帯のメモ機能などにまとめて整理しておき、それ通りに動くようにしてみてはいかがでしょうか。事前に流れを整理しておき、考える時間を減らすようにしておけば、何をすればよいかが明確になってスムーズに動きやすいですし、エネルギーをそれほど使うことなく行動することができます。
    Q Q. ここ最近勉強していて集中できていない気がします。モチベーションも下がっている気がして不安 です。どうすればいいですか?
    A A. まず自分自身を客観的に振り返れていてすばらしいですね。コラムでお送りした通り5月病や梅雨の時期で集中力やモチベーションが低下すること自体は一般的で珍しいことではありません。それを理解したうえで、集中できていたときやモチベーションが高かったときと比べて何が違うかを考えることが有効です。以前は『学習管理ノート』を細かく記入したりと工夫がありましたよね? 現状はいかがですか? やることが増えたのにスケジュールがハッキリしていないことがありませんか?まずは1日の中で「どの時間帯に・何を・どれくらいやるか」を事前にざっくり決めてみてはいかがでしょうか。勉強をタスク処理に変換することで達成感も得られやすくなると思いますよ!
    Q Q. 最近暑くなってきて、自習室に来てもぼーっとしてしまいます。さらに梅雨に入ると雨でじめじめ してくるので、集中できる気がしません。
    A A. 雨でも自習室に来ようとしていることはすばらしいですね! いつもより短い時間で区切って勉強を進めてみるのはどうですか? たとえば、30 分ごとにキリが悪くても科目やテキストをどんどん変えて取り組んでみると、30 分で覚えないといけないというプレッシャーから頭を働かせることができるようになると思います。「ポモドーロ勉強法」という、25 分勉強して 5 分休憩を繰り返す勉強法もあります。どうしても集中できない場合は、思い切って長めの休憩を挟んでリフレッシュしてみるというのもいいかもしれないですね。
    Q Q. 合格点ではなくて満点を取れる勉強をいつもやっているのに、ミスをして満点を逃してしまいます。 こんなにやっているのに...って悲しくなります。
    A A. まず満点を目指している姿勢がすばらしいです。悲しい、悔しいと思えるのは頑張っている証拠ですね。チャレンジを続けることで、あなたの脳は確実に成長しています。R テストが増えて大変になってきている中、「合格点を超えればいいか」と甘えてしまう人もいます。そうではなく、どんなときでも手を抜くことなく勉強に向き合うというのは誰でもできることではないです。これからもその気持ちで頑張っていきましょう!
    Q Q. 自習中眠くなってしまい集中力が切れてしまいます。どうしたらいいでしょうか?
    A A. 睡眠時間が確保されているのに眠くなってしまう場合は以下 2 つ可能性が考えられます。

    ① インスリンの大量分泌
    ② 自律神経で常に副交感神経が優位になってしまっている。

    ①は昼食時の食事内容に注目してみてください。糖質が多めの食事になってしまっていませんか? その場合は糖質を減らす工夫もしくは急上昇しない工夫(そばや玄米などを食べる、野菜を食前に摂取する)をしてみてください。糖質が多めの食事は血糖値が急上昇し眠くなります。②は生活リズムをリセットできているか確認してください。夜寝る前にスマホなどの電子デバイスを触ってしまっていたり、朝起きてすぐ太陽光を浴びていない場合はこの可能性があります。まずは寝る 30 分前からのスマホの利用を制限し、朝起きてすぐ太陽光を浴びることで生活リズムをリセットすることができます。理想はどちらも改善していくことですが、難しい場合は取り組みやすい方から取り組んでみてください。
    Q Q. 授業中、集中しようと思ってもどうしても眠くなってしまいます。
    A A. どうしても眠いときはありますよね。そんなときは「①浅く椅子に座るようにする」「②休憩時間に少し歩いてみる」の2点を試してみてください。この2つは実際に過去の生徒が改善できたものです。必ずしもこれで上手くいくとは限りませんが、ものは試しでいろいろやってみてください!
    Q Q. 学校の定期テストも重なり、思うようにいかないことが多くてどうしても気持ちが下がってしまう ことが多いです。
    A A. GET を設定したときのコラムでもありましたが、この時期は特に体調だけではなく気持ちも落ち込んでしまうことがありますよね。そのようなときに過去の生徒が実践していたことをご紹介しますね。それは、一日の最後にその日の良かったこと(マシなこと)を 3 つ思い出してみることです。一日の終わりを少しでもポジティブな気持ちで終えてみましょう。どんな些細なことでも良いです、良かったことがなかったとしてもマシな出来事を書き出して、意識的に少しでも上向きの感情を見付けてみましょう。ぜひ参考にしてみてください。
    Q Q. 最近体調不良が続き、まともに勉強時間を確保できていません。また周囲から置いていかれている と感じて、さらにそこで勉強に集中できなくなっているような気がします。
    A A. たしかに勉強への気持ち、やる気はあるのに体調不良等で勉強できないとなると、そこのギャップは苦しいものがありますよね。まずはそのような状況にある自分を責めるのではなく許してあげてください。良い意味で「これは仕方ないな」と思うことで、精神的な負担を減らし、回復に努めましょう。この Q&A を見てもわかると思いますが、各人を取り巻く状況は千差万別です。みんな苦しい中でなんとか粘っています。勉強に取り組めるタイミングでしっかり全力を注ぐために、今は休むという判断を下すのも一受験生として立派な行動です!
    Q Q. どうしても模試などの"結果"が気になってしまいます。一喜一憂しすぎないという方針は理解でき ますが、あれだけ努力したのにと思ってしまいます。どうすればいいですか?
    A A. 自分もなかなか成績が上がらないタイプだったので気持ちは痛いほどわかります。ただ、その気持ちは懸命に努力してきた証拠ですよね。まずは、"どうしても結果を求めてしまうほど努力してきた自分"を認めてあげましょう。そのうえで、模試はあくまで"場慣れ"が主な目的です。部活で例えるなら練習試合です。たしかに全力で努力しているかもしれませんが、1,2カ月努力した程度の新入生が、もし練習試合で結果が残せないことを悲観して目の前の練習に集中できていなかったら、あなたはなんと声をかけますか? それを今の自分にも同じようにかけてあげましょう。