【2020年8月更新】共通テストでどうなる現代文

共通テストで記述式は見送られたが結局現代文はどうなるのか?

 

前回のコラムで2021年度新入試から導入される「共通テスト」の英語がどう変わるか?①リーティング②リスニングの2本立てでお話してきましたが、今回は新入試や共通テストで「記述解答」の件が取りざたされ、受験生の不安をあおる一番の原因になった現代文に関して見ていこうと思います。現代文に関しては、以下2点の軸を中心に話をしていきます。

 

1.変更点

2.求められる力

 

1.変更点

 

記述式が見送られたため、結局センターと全く一緒なのか?というと細かい部分で変わる点があるため、センターと比較して確認していきましょう。

 

問題構成&試験時間

 

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2020年センター試験

→現代文2問、古文1問、漢文1問の計4

80

 

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・共通テスト(発表&試行調査参考)

→現代文2問、古文1問、漢文1問の計4

80分(修正発表)

 

記述式見送りとともに、問題構成と試験時間もセンター試験と同じ80分になりました。しかし実は現代文の問題内容で変更があります。

 

問題内容

 

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2020年センター試験

→現代文:論理的な文章で1題(評論),文学的な文章で1題(小説)

 

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・共通テスト(発表&試行調査参考)

→現代文:論理的な文章,文学的な文章,実用的な文章で2題出題

 

※問題の作成に当たっては,大問ごとに1つの題材で問題を作成するだけでなく,異なる種類や分野の文章などを組み合わせた,複数の題材による問題を含めて検討する。

 

ここでいう実用的な文章とは契約書や規則などのような無味乾燥な説明文章や表やグラフなども含まれます。(気になる方は試行調査問題を参考にしてください。)そして重要なのはセンター試験までは、論理的文章(評論)で1題、文学的文章(小説)で1題という形式だったのに対して、共通テストは書いてある通り横断的に異なる種類や分野の文章を組み合わせる可能性があるということです。

 

例:論理的文章の途中に、規則の書いてある無味乾燥な説明的文章が載っており両方の文章から複合的に情報を抜き取り設問に答えなければならないなど

 

2.求められる力

 

では変更点を踏まえて、どんな力が求められるか?というとシンプルに①読む速さ②解き方になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

①読む速さ

 

上述したように文章量がセンターから増えます。共通テストで「実用文」が追加され、1題材で1問ではない可能性があるため、読む速さは必要になります。どう身に付くかでいえば、ある程度“慣れ”にはなるのでやりすぎない程度にセンター試験などで“慣れ”ておくことで速さは養われます

 

②解き方

 

現代文で大事なのは解き方です。基本方針は「消去法」になります。これは評論でも小説でも実用文でもです。基本的に「本文に書いてあるか」どうかです。受験生で現代文が苦手、点数が伸びないという人の中に「主観」で問題文を読んでいるというのがあります。問題文で「傍線部とあるがそれはなぜか?」と聞かれたら必ず本文にある因果関係を確認します。その上で選択肢と本文で見つけた因果関係を照らし合わせ、「消去法」で解きます。小説も心情表現を追いますが、読み手の「正しいと思う」という「主観」は不要です。常にこの解き方で解けるかが肝心です。

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