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【私立大学定員厳格化緩和へ】コロナ禍を経ての今を考える

 

こんにちは。EDIT STUDYです。今回の記事では「私立大学定員厳格化緩和へ」というテーマでお話していきたいと思います。今年の6月に文科省が2023年度入試から私大入学定員の管理基準を緩和する方針であることが、新聞社などの報道によって公表されました。

 

2018年以降、文科省による入学定員の厳格化政策で、入学定員8,000人以上の大規模大学は入学定員の1.1倍まで、4,000人以上~8,000人未満の中規模大学は1.2倍まで、4,000人以下の大学は1.3倍までしか毎年の入学者を取れないことになっていましたが、そもそもなぜ定員厳格化政策が実施されたのか、そしてコロナ禍を経て、なぜ今回定員厳格化政策が緩和されることになったのか、大学入試を取り巻く環境の歴史を振り返っていきたいと思います。

 

なぜ定員厳格化政策は始まったのか

 

そもそも今回のテーマである「定員厳格化政策」はなぜ始まったのでしょうか。 結論から言えば「地方創生」が目的でした。国は当時少子高齢化と都市への一極集中が進む中で地域における大学の機能強化を地域振興活性化のための手段として捉え、その地域における大学の機能強化を進めるうえで、大学進学時に都市部への人口流出が発生していることを指摘しました。

 

地方創生

 

つまり「大学進学時には、地方から都市部への大きな人口流出が生じているが、その背景には、都市部の大学等において定員を上回る学生を受け入れている実態があり、教育環境を改善する観点からも、この状況を是正する必要がある」ということです。具体的に何を是正したかというと「私学助成不交付基準を厳格化したこと」です。

 

 

ronin001

 

簡単に言うと、国が定めた定員の基準値より入学者数を多く取ったら「国からの助成金がゼロになる」というルールです。その定員の基準値が8,000人以上の大規模大学だと前年の1.2倍以上から1.17倍に下がったため全体的に合格者数を減らして、入学者数を基準値以上にならないよう調整するというイメージです。

 

上述してきた通り、国の定員厳格化政策により各大学は合格者数を減らす必要がありました。大学も学校法人のため、大学経営を円滑に進めるためには利益が必要です。そして助成金は多くの大学の経常収入のおよそ1割を占め、実は意外かもしれませんが、この助成金が非常に大きな役割を果たしているのです。

 

※2016年度(2017年3月期)決算期の値になります。当時の東洋経済新聞にも掲載された内容になります。

 

というのも上記の表の大学の利益額を示す「経常収支差額」について各大学を見れば分かりますが、ほとんどの大学が経常費等補助金の額を下回っています。つまり、仮に補助金が全額なくなれば、ほとんどの大学が「赤字」になるわけです。つまり助成金は収入の1割前後とはいえ、大学の経営にとっては、かなり大きな存在になっているということです。だからこそ、定員厳格化政策を守り、何とか助成金を確保しようという動きになっているのです。

 

なぜ定員厳格化は緩和されるのか

 

では何故この定員厳格化は緩和される流れになったのでしょうか。これは主に3つ理由があります。

 

私大難化(追加合格増加)
追加合格増加による入学金二重払い
コロナ禍

 

の3つが主な理由として挙げられます。それぞれがどのように定員厳格化緩和に関わってくるのか、順を追って説明していきたいと思います。

 

私大難化

 

定員厳格化という外部要因によって引き起こされたのが、いわゆる最初の理由である「私立大学の難化」です。当然各大学、特に大規模大学、つまりGMARCHや日東駒専などの難関私立大学が助成金を確保するために合格者を相当数絞ったことからこの現象は起きました。そしてこれが定員厳格化政策を緩和することにも繋がっていきます。

 

どういうことか。それは定員厳格化政策で私立大学の受験が難化したことによる「追加合格」が非常に多く発生したためです。なぜなら大学は通常一定の入学辞退者を織り込み、定員を上回る合格者を出しています。しかし、上述の通り16年度以降は、補助金カットの基準が段階的に厳しくなり、徐々に合格者数を絞り込みました。

 

 

その結果、多くの辞退者が出て入学者が想定より減った場合に、授業料収入のため基準ギリギリまで学生を入学させようと、追加合格を出す大学が増えたわけです。早稲田、慶応をはじめとする首都圏や近畿の有名私立大学計14大学の追加合格者数を調べたところ、2019年度入試は6934人で全合格者に占める割合は4.4%でしたが、2022年度入試では1万7062人(8.2%)と倍以上増えている状態です。

追加合格増加による入学金二重払い

 

2つ目は追加合格が増加したことによる入学金の二重払いの問題です。私立大学の多くは2月に試験や合格発表があり、2月中旬から2月末に支払期限が設定されています。そして人気の難関私立ほど遅い傾向があり、第2志望以下の併願校に入学金を払い、第1志望校の合否発表を待つという状況が当たり前になってしまっています。そして第一志望校に合格すれば、もう一度入学金を払うことが多いのが通例になってしまっていました。

 

なぜこのような構造になってしまっているのか。それは入試では、大学側は過去の辞退者数などのデータを考慮して合格ラインの点数を決めて、合格者を発表します。その後、他大学で合格発表が進むと、入学金の納付状況や実際の辞退者数を見ながら、繰り上げ合格者を決め、定員を満たそうとします。

 

私立大学は、国から在籍学生の定員が厳格に管理されています。定員充足率が高すぎても低すぎても、大学運営のために国から渡される助成金が減額されるので合格者の意思確認は大切になってきます。そして、そのツールとして入学金の果たす役割が大きいのです。

 

コロナ禍の影響

 

そして、このいびつな構造に疑問を呈するきっかけになったのが3つ目の理由であるコロナ禍の影響です。コロナ禍の影響で景況感も陰りを見せ、各世帯の家計を直撃しました。そんな中で、大学の入学金はほとんどの大学が1校あたり20数万円もします。しかもこの20数万円が入学をしないのであれば、一切返金されないものとして処理されてしまうわけです。

 

こうなってくると、家庭の状況によりそもそもレベルの高い志望校を選択すること自体が難しくなってしまったり、複数の大学を併願すること自体が難しくなったりします。ともすれば、ご家庭の状況によって教育の機会が不均衡になってしまう懸念さえあるわけです。

 

こうした流れを踏まえ、国から定員厳格化政策の一部緩和が発表されたのです。では最後のまとめで具体的にどのように変わるのか、そして大学受験を取り巻く環境はどのように変化するのかを見ていきましょう。

 

まとめ

 

最後にまとめとして定員厳格化政策がどのように変わるのか、そしてそれに伴い大学受験を取り巻く環境はどのように変化するのか、をまとめておきましょう。まず押さえておきたいのは1年単位でカウントしてきた定員管理を、全学年(1~4年生)の総定員数で超えなければよいと文科省が規準を緩和したという点です。これにより2023年度の私立大学の合格者数は増加する可能性が高いということです。

 

具体的にどういうことか、1つの例として1学年あたりの定員が3,000人で4学年で12,000人とする、大規模校に属する大学があるとします。現行のルールでは、1年間に募集できる定員数は最大で1.1倍の3,300人になります。そして、総定員数はこれを4倍した13,200人となります。

 

 

この大学が過去3年間、定員1.1倍相当の3,000人しか入学者を取っていなかった場合は、3,000×3=9,000人が3年間分の学生在籍人数となります。今回の定員厳格化政策の緩和により、この大学は総定員数13,200人から過去3年間の学生数9,000人を引いた4,200人までを今年度入試で取れることになります。つまり現行ルールでは次回入試で取れる学生数は3,300人までだったので、新ルールでは最大で約1,000人多く学生を取れる計算になります

 

もちろん、これは数字上の計算ですので、この通りに1,000人多く合格者が出るとは限りません。あくまで机上の理論になりますので。しかし募集人数が多い一般選抜で合格者数・入学者数を想定より増やす可能性があることは間違いないと言えると思います。

 

いかがでしたでしょうか。今回の記事が大学受験を控える受験生やその保護者様の出願戦略等、お役立ち出来れば幸いです。

 

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