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古文の勉強法

古文という科目

さて、古文まで来ればいよいよ受験も終盤。 英語の壁を越えた受験生が次にぶつかる壁がこの古文ではないでしょうか。掲示板でも古文の勉強法を熱望する声がよく聞かれます。実はこの状況事態が一種の問題提起でして、それはどういうことかということを説明するために、まずは古文という科目について少し考えてみましょう。

古文という科目は実に不思議な科目で、次のような特徴を備えています。

  1. 受験勉強以外では(ほぼ)誰も勉強しない
  2. 配点が低い割に参考書は大量に売られている
  3. 参考書は大量に売られている割に勉強法がいまいちはっきりしない
  4. 受験生の限られた時間ではそもそも完全に読めるようにはならない

それぞれ詳細に考察してみましょう。

1について。

趣味で古文を読んでいるという知人がいることにはいるのですが、そのような極端な例を除けば、ほとんどの方は大学受験がなければ古文を勉強したりはしないというのは事実でしょう。それはどういうことかというと、つまり、ほとんどの方が「古文はまったく役に立たない学問」と認識しているのだと思います。もちろん、役に立つ・立たないの観点から見れば、受験勉強全体が疑惑の目を向けられる感は否めないのですが、英語・数学・社会・理科を考えてみると、さすがにまったく役に立たないということはありません。実はもうひとつ、まったく役に立たないであろう学問がありまして…そう、漢文です。この時点で、古文(漢文)を勉強するというのは普通の人にとっては荒行でしかなく、実際これらの科目の必要性を疑問視した大学は早々に受験科目から切り捨てています。

古文・漢文は、苦手意識が云々ではなく本質的に荒行なのです。

個人的には、受験業界で古文常識と言われている古代日本人の価値観には一見の価値があると思っていまして、それならばいっそ日本史の平安文化あたりをもう少し詳しくしてそちらに組み込んで頂ければ幸いかと考えています。

2~4について。

実は2と3は完全に表裏一体の現象でして、まず巷に売られている参考書類や予備校講師は古文の勉強法として必ず「文法・単語・古文常識」を挙げます。ここまでは私も同意見なのですが、詐欺だなと思うのが、これは必要条件でしかなく、「古文が読めるようになる」ための必要十分条件では決してありません。つまり、「文法・単語・古文常識」を押さえたところで「古文が読めるようになる」わけではないのです。そして、先生が言う通りに「文法・単語・古文常識」を押さえても古文が読めないという焦りから、別の参考書に手を伸ばす生徒が量産され、配点が低い割に参考書だけは大量に売られるという不思議な現象が起きているのです。

全ての答えは4にあります。受験生の限られた時間ではそもそも完全に読めるようにはなりません。それでは完全に読めるようになる必要十分条件は何かと言いますと、「文法2:単語2:古文常識2:慣れ2:読解力2」、このすべてを満たした10の状態が完全に読める段階と言えるでしょう。古文の現代語訳を見てください。主語の省略は対策次第でなんとかなるとしても、あの( )の多さはただごとではありません。どう考えても受験生が(というか、善良な人間が)読めるレベルを越えています。

さて、長々と書いてきましたが、ここで大事なことは「だから古文は無理」ということではなく、「だから古文はそこそこでいい」ということです。そもそも完全な読解が不可能に近いならば、それを踏まえた上でせめて他の受験生と差がつかないように押さえるところだけ押さえればいいのです。よって、結論としては「文法・単語・古文常識」が勉強法の軸になるのですが、上のような認識を持っていれば少しは苦痛も少なくなるのではないでしょうか。

まずは文法

古典文法と聞いただけでアレルギー反応を起こす方は多いと思います。その理由はズバリ「古文教師がつまらない授業をするから」です。というのは半分以上冗談ですが、実際に覚えるべき古典文法は特に難しいものでもありませんし、大した分量でもありません。まずは、動詞・形容詞・形容動詞の活用、助動詞の意味・接続・活用を丸暗記すればスタートは順調です。ここは3日で終わらせるくらいの気持ちでサクっとやりましょう。ここが長引くほど古文が苦痛になってきます。参考書はどれも一緒なので何でもいいのですが、評判の良さを考慮して「古典文法をはじめからていねいに」を挙げておきます。が、特に急ぎの人は「古典文法基礎(Z会)」をおすすめします。

活用は必ず声に出して覚えましょう。これが一番速いです。
また、3日で完全に覚えることはさすがに難しいので、いったん覚えたことにして、あとは文章の中で出てくる度に確認する作業が必要です。いつまでも文法だけをやらないのが精神衛生上、大変重要です。また、なぜテキストは何でもよいのかというと、どちらにせよ文法テキストを読んだだけでは文法はマスターできません。実際に使いこなすためには、とにかく自分で品詞分解をしてみることです。また、暗記する際は古文助動詞表の罪も参考にしてください。

なんだかんだで古文は単語です

思った以上に長くなってしまったのでペースを上げていきます。上に書いた要領で勉強しても、これだけでは古文はまったく読めません。そう、単語を覚えましょう。英語では文章の中で単語を覚えることを勧めましたが、古文ではゴロ暗記を勧めます。理由はいくつかあるのですが、最大の理由は「古文にあまり時間をかけたくないから」です。二日で丸暗記できます。ベストセラーにして問題作「ゴロ565」ですが、どうしても合わない人には「古文単語315」をおすすめします。

古文常識ってナニ?

最近では当たり前のように「古文常識」という言葉が使われているようですが、その実体は「前提となる知識」です。そもそも人と人がまともな意思疎通を図りたいなら、絶対に前提となる知識を共有していなければなりません

例えば、「昨日コンビニ行ったらマガジンがなくて代わりにサンデー買ってスイーツ食べてたらメールが来た」という文章があるとします。同じ時代に生きている私たちはこの文章の意味が当然分かりますが、100年前の日本人には何のことかさっぱり分からないでしょう。

もちろん、この100年は特にすさまじいスピードで変化した期間なので少し極端な例かもしれませんが、1000年前の文章を読みたいなら前提となる知識は押さえておかないとお話にならないということを分かって頂ければ幸いです。これは今までコレといったものがなかったのですが、先ごろZ会から「速読古文常識」という素晴らしい本が出版されました。Z会に感謝しつつ、軽い読み物感覚で目を通しましょう。(テストがなければ)意外と古文も悪くない、そう思わせてくれる一冊です。

長すぎる戦いに終止符は…打てず

ここまでですでに3冊の参考書を紹介してしまいました。私の方針として「最少の参考書で最大の効果」というものがありまして、英語でさえ速読入門~上級・英頻・リンガメタリカの5冊しか使用しません。それなのに、古文に4冊目を薦めるのは非常に心苦しいところですが、仕方がありません。古文といえども語学には変わりません。その心はつまり、読んだ量=実力なのです。そう考えるとやはり読解用の参考書もやっておかなければならないのです。これまた大量の参考書がありますが、単語の確認も兼ねて「読解古文単語」をオススメします。左側に書かれた現代語訳を見ながら繰り返し読んで古文の読み方を体得してください。

最初に書いたように、ここまでやっても古文を完全に読めるようにはなりません。それは覚悟しておいてください。その代わり、ここに書いた勉強をきちんとやれば古文で差をつけられるリスクは少なくなります。それで良しとしましょう。

あとは過去問をやれば、センター古文の勉強法は終了です。

勘のいい方なら十分満点が狙え、そうでない方でも8割程度は取れる最短距離を提示してみました。演習が非常に重要ですので、センター本試・追試5年分と模試問題集1冊は必ずやってください。「俺はどうしても満点を取りたい!」という方、「高1から真面目にやっておくべきでしたね」としか言いようがありません。そこまで時間が余っているのなら、英語その他の科目を勉強してください。

長々と書きましたが、ある程度集中的にやれば1ヶ月ほどで終わる分量です。頑張ってみてください。

それでは、次はいよいよ漢文です。

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